■第3章・・・・・ 神社
神社とは
神道の神を祀るところ。一般には神殿と付属の施設から成る。
杜「もり」
聖域、神域であることを示す言葉で社叢ともいう。もともと森そのものが、神の宿るところと考えられ、神木は神聖なる樹木の意で、神霊は樹に依るとする信仰にかかわるもので、特定の樹木を神聖視する場合と、神社の神域全体の樹木を指す場合とがある。神社によっては樹木の種類が一定している。(大宰府の梅、熊野の竹柏、戸隠の杉など)
本殿「ほんでん」
神霊を奉安する社殿。
内陣「ないじん」
神社の本殿中、最奥の間で霊代を奉安する処。
外陣「げじん」
本殿の内部を二つに区画して、内部あるいは奥部の神座のあるところを内陣と呼ぶとき、これに対照して他の室を外陣という。本殿においては、一般に神饌幣帛を献上する場所となり、神社によっては此処で祝詞奏上を行うことがある。
幣殿「へいでん」
神にお供え物をするための建物を幣殿という。本殿と拝殿の間に設けられていることが多く、その殆んどが本殿より一段低い板張りや畳敷の床となっている。幣殿は比較的大きな神社にあり、小さな神社ではあまり見られない。
拝殿「はいでん」
拝殿は本殿の前にあり、感謝の気持ちを伝えたり神に祈願をしたりするところである。一般に昇殿参拝とは、拝殿に昇って参拝することをいう。拝殿は殆んどの神社に設けられているが、伊勢神宮や春日大社など大きな神社でもない場合がある。これは本殿と同様、古くは建物がなく屋外で神をお祀りしていた名残りと考えられる。
摂社・末社「せっしゃ・まっしゃ」
神社には、本殿の神々のほかにもさまざまな神々がお祀りされている。境内にあるものは境内摂社・末社、外にあるものを境外摂社・末社と呼ぶ。摂社は本殿の神々と縁故の深い神を祀り、それ以外の社は末社とされる。どちらも枝社として本社に付属し、独立した神社ではない。摂社・末社は大きな神社に多くみられる。
神楽殿・舞殿「かぐらでん・ぶでん」
神楽殿・舞殿は文字どおり神を慰めるために、神前で奉納される神楽や舞が行われる舞台である。古くは屋外で行われていたものが、時が経つにつれて建物を建て、床を高く張って、今日のような縁や広欄を持つ様式になったという。
手水舎「てみずや」
参道の途中にあり、神社に参拝する前に手を洗い口をすすいで身を清浄にするためのところである。御手洗とも呼ばれ、普通は屋根と柱だけの四方吹き抜けの建物になっている。中心に水盤などが清水をたたえて設置され、ここで身心を清める。
社務所「しゃむしょ」
神社の事務を行い、神社のための会議を開いたりするところ。神社の規模によって、その大きさや機能はいろいろ分かれ、神職の住居として使用されることもある。
授与所「じゅよしょ」
神札やお守りなど、その神社の固有の祈願祈祷のしるしの物品を参詣者に授与する場所。普通は社務所の一隅を授与所としているところが多い。「神札授与所」などの看板がかかっている。
玉垣「たまがき」
神社もしくは神域、あるいは皇居の周囲にめぐらされた垣。玉籬、玉檣とも表記する。樹木をもって囲む柴垣が古い形態であったと考えられる。石造、木造が多い。
参道「さんどう」
社寺の境内の一部を形成するもので、狭義には入口から社殿への道をいうが、広義には社寺へ行く道をもいう。表参道、裏参道と複数の参道がある場合も多い。
燈籠「とうろう」
燈籠は、参道や社殿の前に置かれた明かりとり。一般には石灯籠が多く、また社殿内を照らす金属製の釣燈籠や懸燈籠のほか木燈籠などもある。燈籠は主として、氏子や崇敬者の寄進によって設置される。
狛犬「こまいぬ」
参道の両側に神域を守るために設置されている犬の像。狛犬はオリエントやインドのライオン象が原型で、もともとは天皇のおられる宮中に置かれ、魔除として用いられていたものである。左右一対で阿吽の形をとるのが一般的である。外に置かれているものはたいてい石造であるが、木造、陶製、青銅製などがあり、美しい色のついている狛犬もある。
社号標「しゃごうひょう」
神社の称号を示す標識。
制札「せいさつ」
神社の神域に或る行為を制止する旨を掲げた札。明治六年教部省達にある神社制札に準じれば、制札に記載すべき事項として、車馬を乗り入れること、魚鳥を捕ること、竹木を伐ることの三箇條で大正二年内務省令を以って定められた。現在では、右三箇條のほか、神社や社務所の名を以って取締事項等を掲げている。
国旗掲揚塔「こっきけいようとう」
神社の祭日や国の祝祭日を祝うために、国旗「日の丸」を掲揚するポールの全体をいう。