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神道まめ知識

『神道いろは』より
■Q:神道について教えてください
 神道の起源はとても古く、日本の風土や日本人の生活習慣に基づき、自然に生じた神観念です。このためキリスト教のキリストのような開祖はいませんし、「聖書」のような教典もありませんが、『古事記』や『日本書紀』、『風土記』などにより、神道の在り方や神々のことを窺うことができます。
 日本人の生活との深い関わりのある神道は当初から宗教や宗派として認識されていたわけではなく、仏教が大陸から伝来したのち、それまでの我が国独自の慣習や信仰が御祖神の御心に従う「かむながらの道(神道)」として意識されるようになりました。神社の創立の由来はとても古く、それぞれの土地や氏族の神話的な淵源に根ざしたものです。
 日本人の民族性とも共通することですが、神道の特色の一つとして、外来の他宗教に対する寛容さを挙げることができます。神道は仏教や儒教・道教などとも習合し、中世から近世にかけてさまざまな思想的な展開が見られ、我が国の文化に大きな影響を及ぼしました。しかし、我が国独自の神観念は変わらず、現在まで脈々と受け継がれています。
 さて、我々が生活する地域の氏神様を含めて、神社は全国至るところにあり、八百万の神といわれるほど多くの神々が森厳なる神社の境内の中にお鎮まりになられています。これは我々が生活を豊かに育んできた自然に中に神々の姿を感じ、畏敬の念をもって接してきたことによります。こうした自然との調和を大切にする神道は、より良い自然環境を次世代に継承させるという観点からも、今後更に重要となるのではないでしょうか。
 また、神道の特色の一つとして神々を敬い祖先を大切にする(敬神崇祖)といった考え方があります。これは神々が他の宗教のように隔絶された御存在ではなく、我々の御祖神として深い繋がりがあることを説いたものです。自らのご先祖も丁重にお祭りすることにより、我々を見守って戴ける神々としてお鎮まりになられるのです。

■Q:伊勢の神宮と全国の神社との関わりについて教えて下さい。
 伊勢の神宮は一般的には「お伊勢さま」「大神宮さま」と呼ばれていますが、正式には「神宮」と称し、我々日本人の心のふるさととして古くから親しまれて参りました。
 「伊勢の神宮」とは、天照大御神を祀る皇大神宮(内宮)と豊受大御神を祀る豊受大神宮(外宮)の両宮をはじめとして、別宮・摂社・末社・所管社合わせて百二十五社を総称していいます。その中でも内宮の御祭神である天照大御神は皇室の御祖神として貴い御存在であるとともに、常に我々国民をお守りくださっている日本の総氏神様であり、全国で約八万社ある神社の中でもその根本となるお社です。しかし、神社の場合、寺院などに見られるような本山末寺といった上下の地位を表す関係はありません。神道の祝詞の中で古い形態をのこす「大祓詞」の内容は、八百万の神々が集まり、話し合いを重ねた結果、皇孫に豊葦原の瑞穂の国(日本の国)を安らかな国として治めるようにと御委任なされたことが記され、天孫降臨に際して国つ神である大国主神が天照大御神の御子孫に国を譲り渡したように、多くの神々との関係においても、それぞれの神々の立場が尊重され、話し合いの精神を以て諸事が決せられていたことが分かります。こうした考え方は現在の私達にも受け継がれている我が国の美風ともいうべきことです。
 この神々の関係は神社についても同様にいえることで、現在、全国の神社の多くは神社本庁のもと、各神社ごとにそれぞれの神々を祀り、お祭りが厳粛におこなわれるようにつとめており、神社界全体としては伊勢の神宮をはじめ、全国の神社の振興を図るための諸活動がなされています。このとこからも、伊勢の神宮を格別なる御存在として神社本庁が特に本宗と仰いでいるのは、全国神社の総意に基づくことといえます。

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